わがまま科学者

こちらのサイトに移動しました:http://wagamamakagakusha.hatenablog.com 米国ボストン在住の神経科学研究者のブログです。科学、教育などに関する雑多な私見、主張。1ヶ月に1度程度の更新予定。  Twitter:@yamagatm3   研究者情報:https://about.me/masahito.yamagata/


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以下のブログを書きましたが、こちらのサイトでは掲載しません。以下が、新しいサイトへのリンクです。

あなたはインパクトファクターで選ぶのか?
http://wagamamakagakusha.hatenablog.com/entry/2018/07/01/060250
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このブログは、こちらのサイトへ引っ越し中です。
http://wagamamakagakusha.hatenablog.com


このブログは、科学研究だけでなく、私の大きな関心の対象でもある「教育」も語るという目的で始めたのですが、自分自身が教育に関わっていないということもあって、あまり書く機会がありません。昨今、日本では、金銭ばかり気にして、大学教育や研究体制を改革せよ、というような話が多いのですが、これも衰退していく日本という国が必死に足掻いているという姿なのでしょう。



今週はハーバード大学の卒業式でした。朝、ラボに行く途中、ガウンを着た卒業生(大学、大学院)が列を作っていました。そして、親や兄弟姉妹もおめかしして、卒業式に参加します。日本では、親が大学の卒業式に出席するというのが批判の対象になったりするようですが、米国では子供がたくさん勉強して、無事、大学を卒業するという「成長」を家族で祝う行事であるわけです。



大学の卒業式というと、スピーチが話題になることが多いです。去年、2017年は、Facebookのザッカーバーグ氏(ハーバード大学中退)が演説して、多くの共感を生んだようです。



ザッカーバーグのハーバード卒業式スピーチが感動的だったので日本語訳した。


倉本圭造


【UPDATE】ザッカーバーグのハーバード卒業式スピーチが感動的だったので日本語訳した。



 

さて、今年は、スピーカーが政治家だったということで、あまり話題にならなかった(それはそれで感動した人もいたのでしょうが)。替わりにということで、今年、私の心を打った記事があったので、紹介しておきます。Harvard Gazetteという大学広報誌にでていた内容です。

 

Letter from a father to his graduating daughter

卒業する娘への父からの手紙


YouTubeのビデオもあります。






6つのアドバイスが書かれています。翻訳しておきたいと思います。私は翻訳家ではないので、稚拙な訳で申し訳ないです。




Rule No. 1 — Life is not fair. Get used to it.
人生は公平ではない。慣れること。

Rule No. 2 — Always treat people with respect, and be nice to everyone.
つねに他人には敬意をもって扱い、皆にナイスにすること。

Rule No. 3 — Maintain balance in your life.
生活のバランスを保つこと。

Rule No. 4 — Always keep your personal integrity; it defines who you are.
いつも自分の人格のインテグリティを保つこと。それこそが、君そのものなんだ。

Rule No. 5 — Do something with your career that you’re passionate about.
君が情熱を持てるというキャリアで何かやること。

Rule No. 6 — Never let money be the motivator for what you decide to do. Success is determined by how you contribute to making someone else’s life better.
金銭を何かやりたいと決める動機に決してしないこと。
成功とは、誰かの人生を良くすることに関与するということで決まるんだ。

 



以上。

 

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「わがまま研究者」ブログでは、ご自分の体験をまとめて公表してみたい方のご投稿をお待ちしています。匿名で気軽に投稿できるように、掲示板システムの投稿システムを利用します。
こちらの掲示板の「投稿フォームを開く」のところから、ご投稿ください。
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特に、失敗の共有こそが世の中に役立つという立場から、努力にも関わらず、結局、研究者になることをあきらめたなどの体験の投稿を歓迎します。長文の場合は、ご自分のPC上で執筆し、それをそのままコピペしてご投稿ください。

投稿内容は、管理者が審査した後、管理者の判断で「わがまま研究者」のブログ上で、管理者の短いコメントと一緒に掲載します。管理者の判断により編集することがあります(個人名などの記載があった場合にイニシャル等に変更する)。投稿者のIPアドレス等の個人情報は一切公開されませんが、必ず固有のハンドルネーム(匿名)をご記入ください。

繰り返しますが、掲示板上では、投稿された文章が公開されることはありません。
この「わがまま科学者」ブログ上の中でのみ公開されます。
私のSNSを使い、投稿記事を宣伝しますので、多数の読者が期待できます。

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MITがAI研究に全力、学部横断で新技術開発へ
https://www.technologyreview.jp/nl/mit-wants-to-build-an-ai-thats-as-smart-as-a-child/
http://iq.mit.edu

米国の大学というのは、学内の共同研究プロジェクトにお金を出して支援することが非常に多いと思います。日本の大学にも、こういうのはあると思うのですが、あまり盛んではないし、あっても何か見かけだけで、本気でやっていないでのではないか、と感じるのです。大きな研究プロジェクトでも、目立ちたい個々の研究者に焦点を当てるような支援はあっても、積極的に共同研究を推進するというタイプの支援はあまりないような印象です。

私は、日本の大学を変える起爆剤として、共同研究を推進するための学内イニシアティブにお金を出すことが大切ではないか、と考えます。それは、学際的な共同研究するということだけでなく、その過程を通じて、学内の「雰囲気」や「政治」を変化させることに役立つことになるのではないか、と思うからです。今回は、特に、以下の3つのタイプの共同研究の大切さについて考えてみたいと思います。

同じ学科の教授同士の共同研究
隣のラボ同士で共同研究していますか?
隣のラボとの共同研究論文を発表したことがありますか?
同じ建物の別のラボで気軽に共同研究できるという雰囲気がありますか?


隣のラボ同士の共同研究といっても、同じ講座の教授と准教授、助教とか、ではなくて、全く独立した関係にあるラボの教授同士の共同研究のことです。例えば、動物の研究しているラボが、細菌の研究しているラボと共同研究する。脳のことを研究しているふだんはライバルラボ同士が共同研究する。こういうタイプの共同研究を推進するべきだと思います。

日本の大学の場合、大学院生同士は仲がよい。ところが、教授同士は仲が悪いということがありませんか?ずっと前ですが、私の場合、教授から、隣のラボと研究の話をするな、と言われたことがありました。すごくラボ同士、講座同士の壁が高いと思います。共同研究した場合、試薬はどちらのラボが支払うのかで、もめたりするので、面倒な共同研究は最初からやらない。教授は自分で取った研究費で買った機器を、他所のラボの研究には絶対使わせない。そして、機器は誰も使っていない。ラボが違うと機器の貸し借りができない雰囲気ってありませんか。こういうのをやっていくと、コアファシリティみたいなものを作ろうという気運もでてくるかもしれません。

最近は、日本でも、米国の研究大学でよくあるラボ運営の真似をして、複数のラボ単位を同じ大部屋に入れるというような試みもあると思います。ところが、同じ部屋に入れると、逆に壁を作りたくなることもあるので注意が必要だと思います。私の場合、大きな部屋に入れられると、気が散って集中できなくなるので、逆に他の人と話したくなくなるという傾向がでてきてしまうのです。話を聞いてみると、日本人の特徴として、こういう傾向があるのではないか。外国で流行っているからといって、必ずしも日本人向きではないのかもしれません。
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同じ学部の違う学科の教授同士の共同研究
わりと近い学問領域で違う学科の教授のラボが共同研究する。例えば、生物学科と数学科の教授が共同研究する。これは、もっとやるべきです。

日本の大学の場合、こういうのが、何か学内の「政治」みたいなことに結びつきやすくて、非常にやりにくいということがありませんか?これが問題だと思います。学内の政治が気になって、共同研究ができない。日本の大学の悪い雰囲気だと思います(教授会に政治力があるからでしょうか。教授会が力を失えばこれはなくなってくるはずです)。こういう学内政治って何なのでしょうか?こういうのを崩壊させるためにも、アンチ政治的な共同研究というのは推進するべきなのだと思います。
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同じ大学の違う学部の教授同士の共同研究
医学部と工学部の教授が本気で共同研究する。農学部と薬学部の教授が本気で共同研究する。文学部と理学部の教授が本気で共同研究する。

この「本気」というのが大切なのです。日本の場合、共同研究をやっているような雰囲気や書類をつくって、あたかも共同研究に見せかける偽装をするというのがよくあります。報告書作りのために、ギフトオーサーみたいな感じで、論文に名前を入れるだけ。こういうのではなくて、「本気」で共同研究を行う必要があるのではないでしょうか。

こういう共同研究では、異なるディシプリン同士が全く対等な立場であることが大切です。一方のディシプリンが偉ぶった態度を取ったりしない、ということでしょう。学術的にこのディシプリンの方が偉いんだ、という態度を取るのではなく、本気で共同研究する。大切だと思います。
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科研費などの一部では、違う大学の教授同士の共同研究というのを促していると思うのですが、これも学際的研究を進める一つの方法ではあります。しかし、こういうのが全国規模での排他的な既得権益みたいなものに進化したりする。そして、大学内の雰囲気改善には、全く役立たないでしょう。必要なのは、もっと戦略的な大学間の共同研究ということだと思うのですが。。

また、最近は、日本の研究の存在感を向上させるために、国際的な共同研究が必要だと言う。Skypeで、海外のラボといつもつながることができる時代です。まず、その前に、身近なところから、共同研究を始めることが大切だと思います。

まとめると、日本の大学の学長や執行部は、個々のラボや教授に対して金銭的な支援をするというのではなく、学内の様々な形の共同研究を推進するための支援、共同研究を阻害しているバリアの除去にもっと力を入れるべきではないでしょうか。

金やポストがないと、人々の心はすさび、裏でコソコソと、金やポストを奪う策略を考えたりして、人々や部局の間に陰険で陰湿な関係ができたりする。そういう時だからこそ、共同研究が大切だと思います。繰り返しますが、金を取るために偽装するというのはダメで、本気でやらないと意味がないです。
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私が書いている複数のブログを、統一的に管理するため、別サイトの方に引っ越ししていくこととしました。

livedoorを利用している本ブログは、当分、そのままにして更新も続けていきますが、元サイトは以下に変更になります(内容は同一のものです)。

わがまま科学者(元祖版)
科学、教育などに関する雑多な私見、主張
http://wagamamakagakusha.hatenablog.com


わがまま科学者日記(純粋に科学のお話をしたい)
科学の話題が中心
http://masahito-yamagata.hatenablog.com

わがまま科学者の英語講座(科学系の英語だけでなく、広く「英語」についての話題)
日常生活や論文執筆などに役立つ英語の勉強
http://bioenglish.hatenablog.com

なお、Twitterのハッシュタグで新しいブログ記事をお知らせします。
https://twitter.com/hashtag/わがまま科学者?src=hash

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